国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫)
河治 和香
小学館 2007-05-10
前作「笹色の虹」が評論家に絶賛された新鋭が、鉄火肌の浮世絵師国芳と、能天気な弟子たちの浮世模様を娘の女絵師登鯉(とり)の目から描いた、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第一作。
国芳の娘登鯉は、刺青が大好きで博奕場にも平気で出入りするような<侠風(きゃんふう)>な美少女。
一方で、天保の改革を鋭く諷刺した国芳は、とうとう北町奉行所に召喚されてしまう。「そのサスペンスの舞台である奉行所の白洲に遠山金四郎を登場させるに及んで、時代小説の新たな書き手としての河治和香の腕が冴えわたる。それは読んでのお楽しみだ」(解説・篠田正浩)
現在でも非常に人気のある浮世絵師、歌川国芳の娘登鯉(とり)を主人公とした時代小説。
軽快で洒脱な江戸っ子気質の国芳とその弟子たち、そして主人公の恋模様などが、幕末の江戸の町人風景の中に織り込まれた作品で、気軽に読める小説でありながら、国芳の有名な絵の背景なども理解できてしまう秀逸な本でした。
国芳の絵に興味がある人には、とてもお勧めの小説です。
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