こんにちは、ほくほくです。
北海道にある日本百名山の一つ、斜里岳(1,547m)に登ってきました。
深田久弥の『日本百名山』によると、斜里岳のアイヌ名はオンネヌプリ。
オンネは大きいという意味で、ヌプリは山という意味なのだそうです。
北海道の平原にたたずむ山容は確かに大きく、そして山頂からの眺めも格別でした。
沢沿いのルートで、ちょっとした沢登り気分も楽しめる面白いコースでしたよ。
また、山頂でエゾシマリスに出会えたりと、北海道の大自然を満喫してきました。
iPhoneのGPS-Trkで記録した登山ログはこちらです。
より大きな地図で 【登山】 斜里岳 @北海道 20120913 を表示
ルートは清岳荘からの往復、コースタイムは以下の通りです。
【登り(旧道ルート)】約4時間20分
清岳荘(8:55、22℃)⇒下二股(10:05)⇒上二股(12:16)⇒山頂(13:12)
【下り(新道ルート)】約3時間30分
山頂(13:55)⇒上二股(14:46)⇒熊見峠(15:29)⇒下二股(16:30)⇒清岳荘(17:26)
各ポイントの写真と解説はこちらです。
1. 清岳荘 (8:35)
8時半に清岳荘の駐車場に到着。
平日ということもあって、40台入るという駐車場はガラガラでした。
駐車料金は100円、車中泊する場合は500円だそうです。
ここまで、車で砂利道を20分ぐらい登ってきます。
清岳荘は近年火事で燃えてしまったため、現在の清岳荘は以前の1km手前に新たに建てられたものなのだとか。
新しいだけあって、とてもきれいな山小屋でした。
トイレついでに清岳荘のご主人にお話を伺うと、装備などについていろいろと教えてもらえました。
なお、トイレは100円です。
2. 登山口 (8:55)
清岳荘のすぐ裏手に、斜里岳の登山口があります。
写真右に写っている小さな小屋のようなものに登山届があります。
名前と登山開始時間、下山予定時間を記入し、山を下りてきたら下山時間を記入する方式でした。
3. 道立自然公園の看板 (9:10)
登山口からしばらくの間は、写真のような砂利道を歩いていきます。
そしてしばらく行くと、ご覧のような看板が見えてきます。
この奥から、本格的な登山道が始まります。
旧清岳荘は、このあたりにあったんでしょうかね。
4. 登山道 (9:12)
いよいよ本格的に登山開始!
登山道は、ご覧のように沢伝いになっています。
沢沿いを歩くだけではなく、何度も沢を渡ります。
登山道を表す赤いテープや石の上のペンキを目指して、沢の左右を行ったり来たり。
渡って・・・
また渡って・・・を繰り返します。
途中で山頂方向を見ると、雲がかかっていました。
先行き不安。
そしてまた沢を渡ると。
数えていると、下二股まで13回、渡沢を繰り返しました。
沢登り気分が楽しめます。
5. 仙人洞 (9:49)
大きな岩陰。
先を急ぐので、中に入っての記念撮影は省略。
6. 下二股 (10:05)
斜里岳の旧道ルート(沢伝いルート)と新道ルート(熊見峠経由)の分かれ道、下二股。
ここから旧道ルートに向かいました。
この後わかりましたが、旧道ルートは滝の横の岩を登ったりするため、下りよりは登りに向いていると思います。
7. 水蓮の滝 (10:23)
下二股を過ぎると、滝の数が増えてきます。
滝を楽しめるのも、この旧道ルートの面白いところですね。
こちらは水蓮の滝。
8. 羽衣の滝 (10:30)
こちらは、大きな羽衣の滝。
この滝の横をロープなしで登っていきます。
9. 方丈の滝 (11:03)
羽衣の滝の次にある方丈の滝。
こちらは、さすがにロープが張ってありました。
結構急な岩を登っていきます。
10. 見晴の滝 (11:24)
第三の滝、見晴の滝。
名前がついている以外にも、小さな滝があります。
11. 七重の滝 (11:30)
一番大きかった七重の滝。
この横を登っていくのですが、岩に這いつくばるようにして登る感じで、これを下るのはさすがに怖いと思いました。
このあたりで登山道は雲の中に入っており、ほかの登山者もいないのでなおさら怖かったです。
七重の滝の途中、隣に竜神の滝があるポイント。
同じく七重の滝の途中にある八合目の看板。
一応、清岳荘以降、六合目〜九合目の看板が掛けられています。
12. 上二股 (12:16)
七重の滝を登りきると、沢の水量が徐々に減ってきます。
このあたりになると、沢の中がそのまま登山道に。
そしてしばらく行くと、下二股で分岐した道が合流する上二股。
ここまで来ると、頂上はもう少しですね。
13. 馬の背 (12:50)
上二股を過ぎると、沢から外れた登山道になっていきます。
ここからの傾斜は急でした。
九合目と、胸突八丁の看板。
確かに、ここはしんどい。
馬の背に向かう最後のガレ場。
ここが最後のきついところです。
そして馬の背に到着。
晴れていると、ここから知床連山が望めます。
山頂はここから左へ。
14. 斜里岳山頂 (13:12)
馬の背から見える山頂に向かって登っていくと・・・
登った先に、さらに山が(汗)
この先の山が斜里岳山頂のようです。
斜里岳山頂の手前右側は、崩れている崖があるので注意して進みましょう。
そして、ついに斜里岳山頂です!
この日は山頂にガスがかかっており、山頂に着いたときはあたりは真っ白でした。
でも山頂で食事をしていると徐々に晴れてきて、北海道の大平野を望める素晴らしい眺望が楽しめました。
斜里岳は独立峰のように周りにあまり山がないので、眺めはとても素晴らしいですね。
ちなみに斜里岳の高さは、山頂の標識では1,545mとなっていますが、国土地理院の計測では1,547mなのだそうです。
こちらは山頂で食事をしているときに寄ってきたエゾシマリス君。
可愛い姿ですが、最後にはザックの中に入ろうとしていたので、茂みの方にお帰り願いました。
15. 熊見峠 (15:29)
食事を済ませ、眺めを楽しんでから山頂を出発。
下りはご覧のように空が晴れてきて、緑がまぶしい山容を望めるようになりました。
馬の背。
奥に知床連山が見えます。
上二股から臨んだ山頂方向。
登りの時はガスで全く見えませんでしたが、下りはとてもきれい!
熊見峠へは、上二股から分かれて尾根伝いのルートになります。
周りは丈の低いハイマツなので、尾根伝いの眺望も最高!
遠く網走方向や屈斜路湖、摩周湖も見ることができました。
熊見峠到着。
熊見峠自体は、松に囲まれていて周りを見ることはできません。
でもその前後の眺望は素晴らしいです。
16. 清岳荘 (17:26)
熊見峠からの下山道は、浸食が進んで段差が大きくなったりしています。
土嚢などで補修されていますが、注意して進みましょう(と、清岳荘のご主人にも教えて頂きました)。
六合目付近の下二股で旧道ルートと合流。
ここからはまた、沢渡りの連続ですね。
最後の沢登り気分を楽しみましょう。
そして、清岳荘到着、登山終了です。
お疲れ様でした。
【感想】
北海道旅行をしている間に1つ、山を登りたい。
そう思って、北海道にある日本百名山を調べました。
今回はほくほくにとって初めての北海道旅行、そして道東方面の旅行だったので、羅臼岳、斜里岳、阿寒岳の中からどれか1つ。
結果は、山頂からの眺望が良いという今回の斜里岳となりました。
確かに、山頂からの眺めは素晴らしかったです。
斜里岳の清岳荘からの登山道は、ご覧のとおり沢伝いになっており、ほくほくにとっては初めてのプチ沢登。これもまた、とても楽しかったです。
北海道は大自然が残っていてきれいですね。
斜里岳に登って、改めてそう思いました。
今回検討した羅臼岳は知床五湖から、(雌)阿寒岳はオンネトーからそれぞれ見上げました。
羅臼岳は、晴れていれば知床連山が縦に連なった姿が山頂から拝めそう。
阿寒岳も近くに阿寒富士があり、眼下には阿寒湖やオンネトーが広がって綺麗そうだなと思いました。
これらの山にはいつか登りたいと思います。
斜里岳自体も、初めてづくしで思い出深い山になりました。
沢伝い、山頂で出会ったリス、そして眺望。
季節を変えてまた登りたい山の1つです。
◆登山記事一覧
◆日本百名山 一覧&Googleマップ
【装備】
今回斜里岳を登ってみて気になった装備は、以下の4つです。
@クマよけ鈴
Aトレッキングシューズ
Bゲイター
Cストック
まず@のクマよけ鈴。
北海道はヒグマが多く斜里岳はもとより斜里町近辺でも目撃情報があります。必須アイテム。
ほくほくが使っているのは一番左のもので、音を出したくない時は簡単に消音モードにできるところが気に入っています。
ハイマウント(HIGHMOUNT) マジックベアベル 13040 by G-Tools |
それから、AのトレッキングシューズとBのゲイター。
斜里岳の清岳荘からのルートは沢を何度も渡るので、足元が濡れにくい装備が良いです。特に、靴の中に水が入ってこないように。
なので、トレッキングシューズはローカットのものではなく、ミドルカット以上のものが良いと思います。
また、清岳荘のご主人に伺いましたが、ゲイターを巻いていると、一瞬沢にはまっても水が入りにくいのだとか。そこで今回の登山中は、ずっとゲイターを巻いたままでいました。
ほくほくは以前、富士山の下りの砂走りで砂利が靴の中に入ってこないようにゲイターを購入。
安い装備ですし、ひざ下までしっかりカバーしてくれるものを使っています。
イスカ(ISUKA) ウェザーテック ライトスパッツ ブラック 240101 by G-Tools |
最後にCのストックですが、今回は持っていきませんでした。
沢横の登山道は狭くて突けないですし、沢を渡るときは不要、滝の横の岩を登るときはむしろ邪魔といった感じで、突けるのは山頂付近ぐらいしかないと思います。
あまり必要な装備ではないと思いました。
【花】
今回登った斜里岳では、だいぶ花の最盛期が終わったように感じました。
しかしそんな中でも、きれいな花がたくさんありました。
エゾミソガワソウ(蝦夷味噌川草)
シソ科イヌハッカ属。ミソガワソウの変種。
ミソガワソウに比べて葉の幅が広く、基部が心形。和名は木曽川の支流、味噌川付近に多かったためではないかといわれる。亜高山帯の草地や深山の河原などに生える多年草。群生することが多い。
茎は高さ0.5〜1mになり、細毛がある。葉は長さ2〜10mmの葉柄があり、広卵形または広披針形で長さ6〜14cm、幅2.5〜8cm、鈍い鋸歯があり、両面にまばらに毛がはえる。
花期は7〜8月。
ダイモンジソウ(大文字草)
ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。
根茎は短く、分枝しない。根出葉に長さ5-20cmになる葉柄があり、葉身は長さ3-15cm、幅4-20cmになる腎円形で、基部はくさび形または心形で、縁は5-17浅裂する。葉にはふつう長い毛が生える。
花期は7-10月。
和名は、花が「大」の字に似ることからついた。
エゾトリカブト(蝦夷鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属。
低地〜山地のやや湿った林内や林縁に生え、茎の高さは60〜150センチで、茎は弓なりに曲がり上部で枝分かれする。茎先や葉の付け根から伸びる散房花序に、長さ約3センチの紫青色の花をまばらにつける。烏帽子状の花弁は萼で、5個(上の1個が兜状で大きい)ある。花弁は2個あるが、兜状の頂萼片に囲まれて見えない。雌しべは3〜5個。雄しべは多数。葉は3個に全裂し、小葉はさらに2深裂する。終裂片は卵状被針形で欠刻状に分裂する。
花期は8月〜10月。
花名調査中です。。。
ゴゼンタチバナ(御前橘)の実
ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草。
花期は6–8月。
高さ 5–15 cm。葉は2枚の対生葉と液性の短枝に2個ずつ葉が付き、計6枚の輪生に見える。花の咲く株は葉が6枚にまで成長したものである。花は4枚の白い総苞に囲まれハナミズキやヤマボウシに似ている。秋にハナミズキに似た核果が直径 5–6 mm の赤い果実をつける。
シラタマノキ(白玉の木)
ツツジ科シラタマノキ属。
中部以北の亜高山帯以上の草地等、比較的乾燥した場所に生える常緑小低木。
同属のアカモノの果実は赤く、本種は白い果実をつけることから別名シロモノと呼ばれることもある。
高さは30cm程度。葉は互生し、鋸歯を持つ楕円形で3cm程度の大きさ。
花期は7月から8月で、5mm程度のドウダンツツジのような釣鐘型の花をつける。9月頃、萼が肥大して果実を覆い、白い玉状になることからシラタマノキの和名がある。
エゾノツカザクラ(蝦夷の栂桜)
ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木。日本では北海道〜東北地方以北の高山帯の適度に湿り気のある岩場や草地に群生する高山植物。
高さは10〜30 cm。花は紅紫色で6〜8 mmほどの壷状の花冠をしている。枝先に2〜7個の花を付ける。先は浅く5裂し反り返っている。雄しべは10個。
花期は7〜8月。
山と高原地図 1. 利尻・羅臼 斜里・阿寒 2012 昭文社出版編集部 by G-Tools |
山登りのログ記録には、iPhoneのGPS-Trkというアプリを使っています。
こちらからダウンロードできます。 |
電波が届かない所でもGPSでしっかりログを取ってくれますし、この記事で掲載したように写真とポイントを連動できたり、高度グラフを表示できたりもします。
また、GPSログをエクスポートしてGoogleマップに取り込むと、冒頭のようにGoogleマップでルートを表示できたりとかなり高機能!
さらにログを取り込んだGoogleマップをGoogle Earthに切り替えると・・・
こんなふうに、自分の登山ルートを3Dで見ることもできます!
自分の山行を記録し、あとから見て楽しむにはとてもお薦めのアプリです。