もっと知りたい書聖王羲之の世界 (アート・ビギナーズ・コレクション)
島谷 弘幸
東京美術 2012-12-26
四世紀の中国、ここに彗星のごとく一人の天才が出現した。
今も燦然と輝き続ける王羲之は、東アジアの漢字文化圏にきわめて大きな影響を与えた。
世に「書聖」と称せられながら真跡が一つも存在しない。
上野国立博物館の平成館で催されていた『書聖 王羲之』展(左記)で購入した本です。
ほくほくは一昨年から、御朱印集めにハマっています。
御朱印の、あの墨書と朱印が織りなすバランスというか調和というか、そういうのがすごく綺麗だと思うんですよね。
始めて頂いた御朱印は、平等院鳳凰堂の御朱印。
この墨書の、ただ字を書いただけではない、何とも言えない風合いにすごく魅せられました。
さらに、その墨書に重ねられた朱印。この黒と赤との調和が、書というよりは絵という印象を強く受けた記憶があります。御朱印は、書というよりはアートだと思いました。
それ以来御朱印集めにハマり、様々な御朱印を頂いています。
中でも、一番のお気に入りは、奈良の薬師寺の御朱印。
これ、すごくないですか?
ただ字を書くだけではなく、御朱印帳という限られたスペースの中で、デザイン性に富んだ墨書が広がっています。これを書いて下さった方、サラサラーって書いたんですよね、これ。すごく羨ましいと思いました。
以来、何となく書というか毛筆に興味を持っていて、今回初めて書の展示会に行ってみたわけです。
結論から言うと、今回の『王羲之』展は、ほくほくにはほとんど理解できませんでした(汗)
王羲之の楷書は「すごくきれい」って感じるのですが、他の隷書や行書なんかは、全然きれいに感じなくて。。。線の雰囲気を解説されても、よくわかんないんですよね。
今回の展示で目を引いたのは、文書にたくさんの朱印が押されているもの。やっぱり御朱印と同じで、墨書と朱印の組み合わせにぐっときたのです。
結局展示は、何が良いかほとんど理解できなかったので、ちょっと解説が欲しくなって購入した本がこれです。
この本は、王羲之の書を中心とした解説です。
それに加えて、中国の書の楽しみ方なども書かれています。先ほどの、今回の展示で朱印が押されていたもの、その解説もしっかり書いてあり、なぜ朱印が押されるのかもよくわかりました。
結論から言うと、今後、もしかしたら少し書を理解できる可能性があるかもしれないと感じられる本でした。
この本の中で一番よかったのは、監修者の島谷弘幸氏のあとがきです。
「書を味わうとはどういうことか」
これを読んで、自分がなぜ書を理解できないのかが良くわかりました。その上で、どういったところに注意したら良いかを説明してくれています。
王羲之という書道を語る上では避けては通れない偉人、そしてその書の歴史、そして書の楽しみ方など、ほくほくのような素人に対して書の楽しみ方を教えてくれた本です。
【目次・メモ】
【第一章】 王羲之の生涯【第二章】 王羲之の書
- 王羲之小伝
- 書人・王羲之の誕生
【第三章】 王羲之以降
- 傑作「蘭亭序」の誕生
- 数え切れない「蘭亭序」
- ここが凄い!「蘭亭序」
- 姨母帖
- 孔侍中帖
- 喪乱帖
- 初月帖
- 十七帖
- 小楷・集字・集帖
- 王献之の名筆
- 王羲之神話の形成
- 王羲之書法の展開
- 王羲之神話の崩壊
- 書聖が日本にやってきた
- 王羲之を学んだ日本人
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